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上村松園「雪女」に描かれる刀について考えてみた話

私は日本画家の上村松園が好きで展示があると時々見に行くのですが、この絵は2021年6月頃に福田美術館「美人のすべてリターンズ」で展示されていた時に初めて見ました。

幽霊画のような少し怖い雰囲気の絵ですが、キャプションによると”乱れた髪をか細い左手で一筋つかみ、恥じらう様子”で、”刀の柄だけが金色に塗られ、不気味に光っている”と書かれていました。

ふと、この絵に描かれている太刀を特定できるだろうか?と思ったので、調べてみました。

「雪女」は近松門左衛門作の浄瑠璃「雪女五枚羽子板ゆきおんなごまいはごいた」の一場面を描いています。

「雪女五枚羽子板」は嘉吉元年(1441年)赤松 満祐あかまつ みつすけが将軍足利 義教あしかが よしのりを暗殺した事件(嘉吉の乱かきつのらん)を題材に作られました。

【「雪女五枚羽子板」のあらすじ】
室町幕府に使える腰元(侍女)が赤沼父子に恋人を助けるためと騙されて、将軍の太刀を盗み出し、雪の中で命を落とすが、雪女となって恋人に太刀を渡し赤沼父子の悪事を伝える。恋人は将軍を守るため戦い赤沼一味を滅ぼす。

つまりこの絵の太刀の持ち主は室町幕府の第6代将軍足利 義教です。(足利義教さんググったら暴君とかヒステリーと出てきて、すごい嫌われてた。)

物語では義教が眠っている間に枕元にあった太刀を女が盗み出します。

足利義教の所持した刀をGoogleで検索してみると、来国俊らいくにとし作の太刀(鷹匠切たかじょうぎり)と延寿国吉えんじゅくによしの太刀が出てきました。

鷹匠切は大内持世が拝領しており、大内持世は足利義教が暗殺された数日後に死去してるため、おそらくこの事件の前に下げ渡されていたと思われます。

他に足利家の代表的な太刀といえば二つ銘則宗、大典太光世、鬼丸国綱ですが、秘蔵の宝刀を簡単に持ち出せないと思うので、絵の中の太刀は延寿国吉作かな。

延寿国吉・・・鎌倉後期の刀工。
(来派から分かれて延寿派となり、室町時代に延寿派から分かれて同田貫派となる。)

「雪女五枚羽子板」は創作の話なので、答えは無いのですが、想像するのは楽しかったなぁ。

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